闇の記憶・・・光と闇

ここはどこだ・・・なぜ俺はここにいる
ひとり闇の中に立ちつくす・・・小さな子供
闇の彼方から聞こえる・・・やさしい声
やがて声に導かれるように
歩きはじめた・・・子供
「やめろ！」と叫び俺は子供の手をつかもうとした
だが子供は闇の深淵に向かって歩んでいく・・・

ただ一度ふり返り・・・
俺を見つめるその瞳の中の哀しさとやさしさ・・・
・・・そしてその奥に宿る強さ・・・

記憶に残る瞳の色・・・これは心の奥底に眠る
・・・俺自身の記憶なのか・・・

昨日も今日も明日も・・・ない世界
今を生き抜くことしか考えられない・・・狂気の世界
はじめはあらがっていても
やがてはその世界の住人になってしまう・・・闇の世界

人の命の灯をこの手で消すことが・・・
己が生きる証とは・・・
なぜこんな世界で生きることを運命づけられたのか
ならば自らの命の灯を消せばいい・・・闇の声が響く

だが闇の宿命などに屈したくはない・・・
そう俺自身に言い聞かせ・・・今日もまた
己自身の手を・・・緋色に染めていく
引き裂かれていく心とは・・・うらはらに

巡り会うことはなかったはずの２人
心と心・・・引き合うものだったのだろうか・・・
・・・dark mind・・・
生きるために罪を重ね罰をその身に背負う・・・悲しき者
・・・bright mind・・・
闇の心を知りその罪と罰を癒すために闇に落ちた・・・心やさしき者

・・・光と闇・・・
それは相反する世界に生まれし二人が
めぐり逢いそして・・・
ともに闇に生きることを誓い・・・
そして生きた証を二人の胸に刻むこと・・・
それが自らの手を・・・緋色に染める運命だとしても・・・